1年

 

昨年の今頃、私はとてつもなくモヤモヤしていて、自分の不甲斐なさに将来を考えることも嫌になっていました。

小学生の頃からの夢だった小学校教師を辞めることに決め、それを正しい選択だと自分に思いこませようとしていました。

 

「自分にはやりたいことがあるんだ」。
そう自分を正当化し、その”やりたいこと”って何なのか、本当に小学校教師を辞めてまで追うべきものなのか、退職届を出した後もなお、ずっと自分に問うていました。

 

続けられなくなったのか、自ら続けないことを選択したのか。
どちらでもあり、どちらでもないような、自分でも答えが分からずにいました。

 

昨年の3月は国内の学校は臨時休校中で、先生たちも在宅勤務となり、年度末最終日も皆さんに直接挨拶することはできず、1人1人に御礼のお手紙を送って終わりとなりました。

通常6年で異動となる地域で、特例で9年も在籍させてもらった学校に最後の挨拶ひとつできない自分は、今後何をやったってダメだろうと思っていました。

 

 

 

そんな私が、この1年間、なぜかたくさんの素晴らしいご縁と機会に恵まれて、色々な気づきや学びを得、気付けば会社を立ち上げていました。

 

今頃は、ブラジルに移住している予定でした。
それが、新型コロナウィルスの影響で予定が変わって、あれよあれよという間にこういう形で仕事を始めさせてもらうことになるとは!

 

 

昨年の春フリーになった後、4月早々偶然にも日本語を教える機会に恵まれ、やりがいあるこの仕事に目覚めました。

 

その後1ヶ月位で10名の生徒に出逢い、小学校教師の時とは違った立場で在日外国籍家庭とつながるようになりました。

 

生徒の保護者たちと日々話す中で、小学校教師の時には気付けなかった「いわゆる”フツー”の家庭がどれだけ苦労や努力をしているのか」を知り、もっと自分の経験やツテを活かして、色々な人たちをサポートしたいと思うようになりました。

 

 

そんなことを考えているうちに、教員時代からやりたかったことや日本語教師になってやりたいと思ったこと、色々なことが全てつながって、「あれ、もしかして、これって自分のやりたいことが全部つまった理想の形なんじゃないか?!」と思えたのが、今の仕事でした。

 

でも、それを実行に移そうと思えたのには、ブラジルに住む友人Jの後押しがありました。
元々ブラジルで一緒に日本語に関わる仕事をしようと約束していた彼女と、コロナの影響で現地で一緒に働く夢が叶わなくなり、それでも何か一緒にできることを探そうとしていた中で、
「祥子がやりたいようにやればいい。私はそれをサポートする。」
とJが背中を押してくれたから、実行に移すことが出来ました。

 

会社を立ち上げるためのクラウドファンディングをして、素晴らしいスタッフと出逢えたのも、全てはJがGOサインを出してくれたからです。

 

 

でも、”会社”という形でスタートできたのは、やはり何と言っても一緒にやると言ってくださった方たちがいたからです。

 

1人より組織として動いた方が日本語教育に対して色々なアクションを起こしていけるだろうと思ったって、一緒にやってくださる方がいなければ何も始まりません。

 

こんなに多くの素晴らしい方たちとの出逢いが待っているなんて、昨年の今頃は思っていませんでした。

 

 

 

振り返ってみて、本当に奇跡のような、不思議な1年でした。

でも、昨年度担任した子どもたちがもう小学校から巣立つ今週、確実に1年は過ぎ、新たな1年が始まろうとしていることを実感します。

 

 

「小学校教師を辞めてよかった」とは思いません。

 

「11年小学校教師として働けて幸せだった。その経験があるから、今の私がある。これからも、小学校教師であった自分を誇りに思いたい。」と思います。

 

そういう風に感じられるようになったことこそ、自分的に何よりの収穫であり、感謝すべきことです。

 

 

「これを成し遂げた」、そんなものはまだ何もありません。
そもそも、「これを成し遂げたい」というものもなく始めてしまったに近い私です。。。


そして、これからもそんな風に言えるものなど無いと思います。

 

 

でも、前職を辞めて1年、開業をして半年が経とうとしている今、今後自分はどう成長していきたいのか、考えていきたいと思います。

 

 

 

まずはこの1年間でお世話になった皆さんに心から感謝します。


そして、これからも懲りずにお付き合いいただけたらありがたいです。

 

 

・・・3月31日まであと1週間ちょっとある中途半端な今日、こんなことを書いて変ですね。笑

元教え子たちの卒業式が今週のため、感傷的になっている私です。

 

今後ともよろしくお願いいたします?!