さとこ先生の海外子育てコラム16 【不登校のはじまり】

さて、無事に小学校5年間(息子は4年間だけ)が終わり、
息子は中学(コレージュ:4年間)に進むことになりました。
公立中学か私立(カトリック系)中学の選択肢がありますが、次男は友達が行くからという理由で公立中学に入れました。大きな町の郊外ベッドタウンにある、特に荒れているというわけでもない、ごく普通の中学校です。当然、上のきょうだいのように普通に通うものとばかり思っていました。
どこの国でも同じかと思いますが、小学校ののんびりした子供時代が終わり、中学では学校のルールにしっかり従うことが期待されます。
たとえば、この学校には連絡ノートがあったのですが、次男の場合ここに先生からの注意がびっしり書き込まれるのです。宿題をしない、授業話を聞いていなかった、忘れ物をした、などなどですが、これを親はいちいちチェックして署名して返さなければいけない
上の二人のときは連絡ノートなんて存在さえ忘れていたのに、なんでこの子はこんなにいろいろ注意されるんだろう?とさすがに心配になりました。
宿題をほとんどやらない、ノートも真面目にとっている様子がない、などを含め、今思えば、これが規律を重んじるフランス式の教育に適応できていない、というサインだったのです・・・。
中学2年目になって息子は次第に学校に行き渋ることが多くなりました。
遅刻と欠席が多くなり、朝起きられない、学業興味なし、夜中までPCのゲームに夢中になるという典型的な不登校の始まりでした。
ギリギリでなんとか3年目に上がれたものの、20年3月にはロックダウンが始まり、完全に学校に行くことはなくなりました。
家庭での学習はゼロ、オンラインの授業にも参加拒否、あっというまに親にもなす術がない状態に突入です。
もちろん、親のいうことも聞きません。
家の中ではかなり荒れて、部屋の壁に落書きする、壁やものを壊す、暴言を吐くという思春期特有の不安定さがかなりありました。
この間、不思議なことに友達とは普通の関係を維持していました。別に人間関係に問題があったわけではないのですね。ですから、なおさら不登校の理由が見つからなかったのです。
心理カウンセラーのところにも足を運びましたが、親から見ても「なんか焦点ずれてる・・・」という印象のときもあり、あまりピンとくる人はいませんでした。

 

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