さとこ先生の海外子育てコラム【フランスからイタリアへ】
フランスからイタリアへ
20年夏、いろいろな事情から私たちはフランスに持ち家を残したままイタリアに引越したのですが、これには大変な抵抗で挑んできました。「挑む」という表現以外にぴったりしたものが浮かばないのですが、「反・親の敷いたレール」を信条として、妥協したのは親と一緒にイタリアに移動するということだけで、他の面では絶対に折れなかった。
なんとか引越しはして彼は高校一年生に入学したものの、以上のような状況だったので不登校をそのまま引きずり、イタリアは嫌いなので言葉を学ぶことは完全拒否、パスタは嫌いだから日本食が食べたいと言い張り、家の中の籠もってほとんど外に出ないという親から見れば地獄、外から見たら心配通り越して滑稽な光景がほぼ2年続きました。結局学校に行けず(行かず)に今に至ります。
今は2023年ですから、3年間もこんなことしてたのか・・・と今振り返って見ると、頑固さには感心するほどです。
今では家族とは普通に話しますし、落ち着いた感さえあります。アニメと漫画漬けになっていたのでその道?に詳しくなり、日本語も上達さえしたのですが、数年やってさすがに飽きたようです。ゲームも同様で、上手ではありますが、別にゲーム愛があるわけではなく単なる暇つぶしなので、これも今ではたまにやる程度です。
オンラインの友達
面白いのは、オンラインで友達になった同世代の子供たちがいることで、そのうちの一人などはフランスの家まで泊まりに来たくらいです。オンラインだと普通の友達のように学校生活の共有など余分なことがないぶん、内面などを出しやすいのかもしれません。イタリアでは、たしかに友達は一人もいないのですが。
カウンセラーと話すも…
中学で不登校気味になってから、学校の先生方やカウンセラーと話をしてきましたが、本人が乗り気でない、むしろ反抗的だったこととCovidの影響で、なかなか展望が見えませんでした。
イタリアに来てからもいろいろあります。
周りの大人(カウンセラー含む)は「学校に行けば友達できるじゃない」と言うわけですが、不登校の人間には、「いや、だからもう別に友達欲しくないし」「学校行くの無理だし」というレベルの話なので、まったく噛み合いません。とにかく学校的な場所に落ち着いて居られない、という感じなのです。
8時から14時まで授業に出て宿題して・・・という普通のルーティーンが苦痛というのは、普通の人にはわかってもらいえない感情だと思います。
精神科医からは診断書などいろいろもらいました。
[18]へつづく…
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