わたしと子どもたちで広げる日本と日本語の世界(前編) 9-1
と重なりました。
初めて訪れた江戸東京博物館は江戸時代の空気が漂い、息子は龍馬の残した”ほんもの”に出会えることに興奮していました。
そして日本には、こんなにも龍馬ファンがいる、入場口に並ぶ人の多さ、竜馬直筆の手紙のある展示ケースの前から動かない人にも驚いていました。
龍馬の愛刀や、龍馬暗殺時に血しぶきの飛び散った掛け軸、かの有名なブーツ姿で立つ写真など息子はその時代の”ほんもの”を自分の目で見られる感動を初めて味わいました。
カッコいいなぁと愛刀の前には一人長い時間立ったり。この経験は、息子が自分の興味ある日本の世界から一歩外へ出て、広げられた新しい世界との出会いでした。
息子と娘、それぞれの京都
その後どうしても家族で訪れたくなったのが京都です。
息子は龍馬の活躍した江戸末期、娘は多くの和歌が詠まれた平安時代と
お互い時代のギャップはあれど京都へ行けば、自分の目で見て歩いて感じ、触れた情報が深く記憶に刻まれる旅になるだろうと思ったからです。
京都の旅は息子が中学1年生、娘が小学校5年生の10月、日本は秋の深まる季節でした。
娘とは渡月橋近くの嵐山亀山公園を訪れました。
木々に囲まれた広々した園内には四十八首の百人一首の歌の刻まれた歌碑が点在していました。
娘は紅葉の中、歌碑を見つけては読み、指でなぞり、「ダイナミックなカルタ遊びをするみたいだね」と話しながら園内を楽しみました。