さとこ先生の海外子育てコラム12【長女Nさん編・完】

どこにも属さないということは、ある意味では強みとも言えます。

細かく見ればどこにも属してないけれど、マクロに見ればぜんぶに属しているともいえるわけです。あなたは何かと問われたら、日本人とか、なんとか系何人、とか、たいていはそういうところから「わたしは何です」という話が始まると思うのです。でもその属性がはっきりしない時は、「私は、わたし・・・」と答えざるを得ない。文化や言葉がいろいろでも、私はたぶん、私自身・・・、どこかに少しずつ属していて、でもその文化が全部じゃないから俯瞰したり比較したりできる。おそらくそんな感覚ではないかと思います。

こういう複雑なアイデンティティを構築している、いや構築しつつある長女はまさにコスモポリタンの最先端だね!とちょっと嬉しくなります。なぜなら世界そのものが複雑で、多面的なものだからです。

 

手のかからない長男、困難もなんとか乗り越えた努力家の長女の話で終われば、「子供の成長は結局は子供次第なのね」と言う結論です。

が、うちはあと3人子供がいて、とくに次男が現在進行形で親のエネルギー120%吸収型タイプなのです・・・。他の子供で出がかからない分、4人分が全てここにきたか・・・と思ったのでした。

その話はまたこんど。

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↓長男SKくんのケース

①私と私の家族

②どの言葉で育てるか

③なぜ継承語教育か

④はじめての子育てin異文化

⑤それぞれの言葉で話すという選択

⑥長男SKくんの場合 (完)

↓長女Nさんのケース

⑦サードカルチャーキッズ

⑧日本語は問題ないけど…

⑨ドイツ語、フランス語、英語、そして日本語

⑩ 高校生でイタリアからフランスへ

11 アイデンティティーについて